top of page
薄っぺらな魂web.png

"薄っぺらな魂" 72.7cm×91.0cm oil on canvas 2022

横山麻衣「薄っぺらな魂」

2023年2月21日(火)-  2月28日(火)※ 2/24休廊
12:00 - 19:00


会場:Sundries
〒107-0062 東京都港区南青山4-10-15 tel.03-5411-0799
4-10-15 Minamiaoyama Minato-ku TOKYO JAPAN 1070062 tel.+81 (0)3-5411-0799

​→Googleマップ

http://www.sundries-antiques.com/






















 

横山麻衣は現代における「本物」とは何かという問いのもと、iPadのお絵描きアプリで描いたデジタルデータを元絵に、油絵の具でキャンバス上に写し描くという手法を用いています。今回の展覧会では、古代の美術品をイメージの源とし制作した作品が並びます。是非、ご高覧ください。


薄っぺらな魂なんかない。すべての魂は生ぬるく湿っている。
バクトリアの本を見た。人々は金の奉納板に願いを込めて神殿に捧げていたという。病める人は患部を、親は子の成長を、牧羊家は家畜の生育を、兵士は武器への祝福を、各々の願いを金板に刻んで奉納した。薄く伸ばされ、単純な絵を刻まれた板は肉体の代替品にすぎず、しかしそれでいて祈り・曝けだす魂そのものでもある。薄っぺらな絵の具を重ねることと、薄っぺらな金の板を削る感触は似ているだろうか。
川に呑まれる落ち葉のように肉体は透明のはざまに消えていくが、魂の端切れだけが幽霊のように残っている。すべての魂は生温かく湿っていて、いずれあっけらかんと消えてしまわねばならない。ただ今はここで地を這っている。

薄っぺらな絵、端切れとして、幽霊のように。



参考文献:『Catalogue of Treasure of Ancient Bactria』MIHO MUSEUM

2023.2.21 横山麻衣

access.png
bottom of page